Mirage

グッドモーニング

何の変哲もない 虚しいほど透き通った朝
とりあえず朝ご飯を作ろう

閉じこめられた部屋
覗くことはできるけど 覗かれることはない

ひとつ目の窓から覗いた景色が 映すのは現実
時間の感覚をなくすほどの 寂しいだけの白い空間

気が狂いそうな広さ 自分を見失わないために
チャンク化
ただただ 無心でこなす

認識されない部屋
初めからここにいて 抜けることはできない

ふたつ目の窓から覗いた 景色は巡り巡ってく
変わらない日々の中でだって ただそこだけは変わり続ける

忘れ去られた部屋
願うことはできるけど、叶えることはできない

ふたつの窓しかない世界 抜け出ることは望まない
求めるものは たったひとつ
ほんの少しの 温かさを

変化を見続けるだけの 変化のない日常
羨むことしかできないけれど
全部含めて ルーチンワーク

 

夏と向日葵と麦わら帽子

こんな時期はずれに セミが鳴き始めた
早すぎるよ 出番はまだ
衣替えも最近したばかりなのに

始まったばかりの6月ももう終わる

気がつけば もう夏はすぐそこまで来てた
暑いのは苦手なのに

どこかへ行こうか 長い夏休み
麦わら帽子かぶって
たまには一人でぶらぶら旅にでるのもいいかもしれない

夏の線路歩く
日差しが強すぎて気が滅入るよ
風 早く吹かないかな
夏の香りはまだかな

アスファルトの上 陽炎が揺れてる

夏ってこんなに暑かったかな?
生きてる間にあと何回 夏はやってくるのかな

どこまで行こうか あの海も越えて
友達だって作るんだ

夏が終わる前に 辿りつけるかな
ひまわりの咲くあの場所へ

どこまでも行こう 切符とかも買って
鼻歌口ずさんで

この空が続く先には
どんな景色が待っているのかな

どこまでも行ける気がするよ

 

Gnostic Children

深い夜の底、僕らは動く。
生きてく理由を探した。

いつだって僕らは壊れたままで。
それでも人らしくあろうとした。

どうすればいい。
壊れた回路で考えた。
嘘を嘘で塗り固めた。

逃げ場をなくした僕らが歌う。
「この世界は自由だよ」と。
そんな戯言誰が信じる?
信憑性など少しもない。

赤く染まる町、夕日が照らす。
夜に変わるのを待ち続けた。

消える記憶と、自身の証明を。
見失わないために、名前を刻む。

居場所を無くした僕らが歌う。
「すべてが君の居場所だよ」と。
そんな戯言誰が信じる?
自分の場所を探せよ。

笑顔を無くした僕らが歌う。
「笑えば辛くないよ」と。
そんなごまかし誰が信じる?
笑い話にもなりはしない。

消える記憶と、自身の証明を。
見失わないために、名前を刻む。

正気をなくした僕らが歌う。
「君はとてもまともだよ」と。
そんな戯言誰が信じる?
こんな歌をなぜ歌うの?

名前を失くした僕らが歌う。
「名前は大切なんだよ」と。
そんなこじつけ誰が信じる?
信じる理由はどこにもない。

 

flavored syrup

深く祈りを捧げた 遠いどこかへ
誰に向けたものなのか
わからなくて笑えてくる

届くことはなかった
当たり前のこと
でも人は願う

神なんていないのになぁ…

星が落ちた
光 削って
どこにも届かずに 消えていくんだろう

いなくなった どこへ行った 君は消えて ひとりぼっち
いなくなった どこへ行った 寂しさに 耐えられるかな

あんなにうるさかった アブラゼミも
もう鳴いてないな

ホントに静かだなぁ…

星が落ちた
見逃しそうなくらいの ほんの一瞬だけ
君も見てたかな

いなくなった どこへ行った みんな消えて ひとりぼっち
いなくなった どこへ行った みんなが消えた ホントにそうか?

僕が目指したあの夏はどこへ
もう二度と戻らない失ってしまった時間
誰も知ることのない何も守れなかった
この夏は味の薄いかき氷を食べただけ

いなくなった どこへ行った 僕が消えて ひとりぼっち
いなくなって どこまで来た 消えてしまったのは僕のほう?

深く祈りを捧げる 遠いどこかへ

もし次があるならもっとうまくやれるのになぁ…

 

little flames

冷たい夜空が頬をさす。
半分だけの月を見て、
みんなで花火した夜が、どれくらい前か数えてみた。

浮かぶ、幾星霜の思い出たちが、空に飲まれ。
ずっと続けばいいと、願った日々は、遥遠く。

日が暮れるまで駆け回った。
笑い声を響かせながら。
なんてことない時間だけど、ちゃんと大切に出来たかな。

燃えろ、気が済むまで。
その火はどうせ、消えてゆくだけ。
燃える、40秒。
微かな匂い、残して消える。
思い出と、儚く消える。

臆病な自分は置いていく。
さよなら、灯火。
いつかまた…

行こう、火が消えても。
夜が明けて、ひとりきりでも。

行こう、目が醒めても。
朝になって、誰もいなくても。

行くよ、懐かしさで、
うまく前が見えなくても。

行くよ、ひとりでだって。
堪えきれず、泣き出したって。

 

Aldebaran

夕闇が迫る空 終焉のようで
変わらない景色は 居心地が良かった

白い海に抱かれ 夢を見続けた
微かな温もりが どこからか伝わるよ

優しい夢を見たよ
苦しみも痛みもない世界なのに
なんでこんなに満たされないんだろう?
ねぇ 誰か教えて

季節が変わっても 君は眠ったまま
名前を呼んでみたよ 返る言葉はない

白い指先触れて 確かめてみる
声は届いてるかな? 温度は伝わるかな?

どんな夢見てるの?
僕は元気でやってるよ
辛いことなんてないよ
君がいないことを除けば
ねぇ 目を開けてよ

ちゃんと伝わっているよ
ちゃんと聞こえているよ
でも体が動かないんだよ
目を覚ましたいのに

こんなに醜いのに
どうして側にいてくれるの?
早く目覚めたいよ こんな世界は嫌だよ
君がいる世界がいい
大好きな君がいる側で
ああ そんな希望を

 

Birth

記憶の片隅に埋もれていた
いつか まだ輝いてた季節

長い長い時間 孤独だった
眩しいものばかり見ていた

羨望 忘れた温もり

僕が生まれたときはみんな笑ってた

どんな道を 僕らは歩いた?
誰のために この手を汚した?
守るものひとつ それだけのために 多くのものを傷つけてきた

どんな道を 僕らは歩いた?
誰のために この手を汚した?
守るものひとつ それだけのために 愛しい気持ちだって殺すんだ

偽って 隠した 感情
とぎれとぎれ 紡いだ言葉を
理解される日がくるときは きっと

誰も僕の側に いないだろう

 

心海

虚しさにつつまれて、ひたすら眠った。
沈んでいるのか昇っているのか、感覚はもう定かではない。

不可視の体で潜る。
不可視の腕で水をかく。
小さな宇宙へ。

深い深い海に沈んで行くんだ。
意識を。

冷たさに耐えながら、ひたすら潜った。
進んでいるのか戻っているのか、真実はもう確かではない。

可能性は無限にある。
自分を保てなくなっても。
心の奥底へ。

深い深い海に沈んで行くんだ。
命を。

こんなにもきれいだった海を。
こんなにもきれいだった心を。
いつの間に汚してしまったんだろう。
汚れてなんかなかった。
汚れて見えたのは、くすんだこの目のせいだったんだ。

深い深い海に沈んで行くんだ。
命をつなぐよ。
意識をつなぐよ。
こころがつながるよ。

 

noesis

無限に広がる意識の底で見た
かすかに記憶に残った光景
引き戻されるまでの限界点
誰かが隠した切り離された領域

少し思い出した 最後に見た世界は
ここよりももっと物哀しい場所だった
幾つもの愛と幾つもの泣き声
目覚めないことを自ら望んだんだ

情報の真偽は? 心の行末は?

無限に続く夢を見てるような
観測が辿りつく先を 誰が知る

消えゆく記憶はノイズに変わり
存在を証明する術は どこにもない

無数の意識が氾濫する中で
無くした言葉は誰にも掬われない
途方もない時間を漂い続け
忘れたことすら忘れてしまった

集う無意識に 呑まれてく願いは?

無限に続く夢を見てるような
観測が辿りつく先に 何が待つ

壊れて消えてくだけだとしても
何も無い世界なんかよりはましなんだろう

 

Sleepy Song

いつもの退屈な一日が終わり
そろそろ今宵も眠りにつこうか

優しいこの歌
ぐるぐるまわって

おやすみ おやすみ
心地よい夢を

ここへおいでよ 怖がらないで
ここへおいでよ 一人じゃないよ

眠れば変わらない明日が始まる
そろそろ今宵も眠りにつこうか

癒しのこの歌
きらきらひびいて

おやすみ おやすみ
心地よい夢を

ここへおいでよ 怖がらないで
ここへおいでよ 一人じゃないよ

繋いだ手のひらかたく握り締め
この音 この歌 優しく響いた

おやすみ おやすみ ほらもう眠れるよ
おやすみ おやすみ おやすみ おやすみ おやすみ

 

Mirage

冬の朝 壁の向こう 白銀が広がる
白い息 二人きり 寂しげな瞳で
見つめてた 窓の外 駆け回る 子供たち
僕の手を握りしめて ただ静かに見守った

壁の外の景色はどこまで続いてるのかな

やがてくる終わり この雪が溶けてくとき
遠い空の果て 一度くらい見てみたかったよ

籠の中 痩せた指 悲しげに震えてる
少しだけ 願っただけ 幸せな風景
いくつもの 淡い光 浮きでては 消えてった
君の手を握りしめて 眺めるしかできなかった

不確かな世界の中 確かに君と生きてきた

映る景色が 儚い幻だとしても
ただ夢をみる この空が消えるときまで

やがてくる終わり この雪が溶けてくとき
まだ夢を見る 繋いだ手 離すときまで