Colors/Forest

Colors

すべてを投げ出しここまで来たけど、
どうやら一人にはなれないらしい。

君は誰だい。不思議な姿だね。
森の妖精だとでもいうのかい。

俺を一人にしてくれ。そのためにここへ来た。
そんな綺麗な虹色の葉っぱを、見せたって無駄だからな。

雨上がりの森には、それはそれは美しい虹色の花が咲いた。
これもお前が、俺の気を惹くためにわざわざ用意したのかい?

そんなことして何を企んでる森の精。
俺を一人にして欲しいんだよ。
この世界には悲しい事が……

多すぎてさ……もう嫌になったんだ……
なぁ……頼むから邪魔しないでくれるか。
忘れたいことばかりあるんだ。

ほらわかったろ、だからさ。
目の前から消えてくれ。
もの言いたげな目をしているな。
最後に訊いてやろう。

「森が色づいたら、僕らの旅が始まるんだ。
辛いことにも、さよならを言うよ。
ばいばい、記憶の底で」

Black Sheep Fantasia

空気みたいになる。
それだけだった。
それだけが僕に与えられ、他には何も望まれることなく。
生きる意味を持つだけ、マシだろう。

疑問に思ったのは何度かある。
楽しそうな親子が手を繋いで歩いた。
年齢、性別、身長、僕と同じくらい。
違いはどこにあるのだろう。

今日もひとりで歩く。
それでいいのさ。
それだけで、みんな笑顔になる。

僕が世界を救う役に立つのさ。
仲間はずれを演じてさ。

好きに生きているさ。
これでいいさ。
みんな好きに生きればいいさ、他には何も望まないでおこう。
ただ押し付けないだけ、マシだろう。

不思議に思ったのは何度かある。
息をして、歩いて、走って、食事して、
種族も、言語も、権利も、僕と同じだろう。
違いはどこにあるのだろう。

僕がこの立場から抜けだしたって。
他の誰かが犠牲になる。

なんてくだらない世界。
そんな風にしてしか、団結できないなんてさ。

いつかこんな僕にも、
価値を見出してくれる人が現れたら。

それが平和を作るひとつの答え。
ああ、だから愛を探すのか。

 

Shady Violet

闇の中を一人さまよう
こんな場所でも夢は見れるのかな
誰もいない 世界の裏側で
一筋の光を見つけた

触れることさえ叶わず
それでも掴もうと この手を伸ばす

泣き出しそうで 泣き出しそうで
それでも僕は走り続ける
また繰り返す 逃げられないとわかっていても
もう泣かないで もう泣かないで
きみの言葉が胸に響くよ
堪えきれずに叫んだ声も かき消されてく

僕の言葉も僕の想いも きみのもとへは届かないけど
わかってるけど それでも僕は歌い続ける

忘れ去られた森の中できみはいつも一人佇む
きみには僕が見えているんだね
きみも心を閉ざしてたんだね

何もできない
それでも叶えたい願い事が唯一つだけ

届かないなら 届かないなら
いっそこの場で 捨ててしまおう
そう言い聞かせ 闇の中ただ一人で泣いた
逃げ出したくて 逃げ出したくて
それでも弱音零さずに行く
掴めないなら 僕のこの手は ないのと同じ

まだ見えるよね? 僕の姿は
きみのその目に 映ってるよね?
こみ上げてくるこの不安は 消えてくれない
またこの場所へ 辿り着くから 心の中で 誓いを立てる
時間がないよ 僕の体が消えてしまうよ

また会えるよね また会えるよね
きみは何度も 叫び続けた
答えることも できない僕は ただ立ち尽くす
もう行かなくちゃ もう行かなくちゃ
謝ることもできないままで
自分の嘘も自分の罪も 隠したままで
きみの言葉もきみの想いも 僕のもとへはもう届かない
時間切れだね 悲しいけれど 終わりが来たよ

時が流れて 約束の森 僕の命がまた始まるよ
目がくらむほど 眩しい朝に きみを見つけた

 

lazward

残された者が、遠い空をを見てた。
「向き合っても悲しいだけだから」と、笑いながら。

僕らが望んだ日々はもう遠く。

思い出す怖さで、ああ、
僕は目を逸らして、忘れようとして、
灰色の日々だけ見てた。

強さを履き違え、ああ、
触れないようにして、遠ざけようとして、
ただ自分を守ってきた。

拭えない過去が、脆すぎる心が、
「期待すれば傷つくから、触れないようにした」と。

僕らが望んだ空はもう遠く。

触れてしまった右手、ああ、
忘れてた温もり、思い出すだけ。
また失くしてしまう、それでも。

どうしようもない感情が、ああ、
溢れでては痛み、噛み殺しては溢れ、
もう後悔しないようにと。

いつか挫けた、あの場所まで。
失くした日々が、そこにはあった。

まっすぐ前を見据える目を、手放したのは、いつだろうか。

いつか目指した、あの空まで。
僕らの青が、そこにはあった。

昔持っていた、その理、遠ざけたのは、自分だった。

僕らの愛が、確かに―――

 

群青の猫と始まりの夏

微睡みの中ずっと、捨てようと、した日々。
鳴り響いた風の音、そっと、面影揺らすよ。

振り返り手を振る君に、呼ばれて。
懐かしい影。
ほら、新しい朝が。
ねぇほら、また、始まるよ。

僕ら過ごした夏があったね。
眩しい日差しの中を駆けた、
偽りのような。
色づく景色を、眺め、笑い。
いつか交わしたその約束を、
僕はまだ見つけられない。

記憶の中でずっと、捨てられず、いた日々。
鳴り響いた鈴の音、そっと、まつ毛を濡らすよ。

同じ場所で違う時間を生きた。
消える影法師。
こんな、悲しい日が。
ねぇほら、また、来るなんて。

僕ら過ごした夏があったよ。
変わらずに続いて行くのだと。
陽炎のような。
遠い夏空、追いかけ、笑い。
あの日交わしたその約束を、
僕ら探し歩くんだ。

 

Green lights

朝陽が照らし、包む草影。
目覚めは、そんな風景と。

いつもは、部屋の隅にいた虫。
どこにも、見当たらなかった。

消えない朝を探してた。
見えないものを抱きしめた。
無価値なものだと笑われ、傷ついても。

大切なものはいくつ?
消えるのは何番目?

辺りが、緑色に輝く。
いつもの、そんな風景と。

百年、ともに過ごした木々も、
気づけば、もう枯れていた。

消えない朝を探してた。
見えないものを抱きしめた。
長い夢の終わりにぽつり、佇んだ。

見渡す限りの草原、
賑やかな声ももうなくて。
朝露の落ちる音だけが、響いていた。

どれだけ同じ時間を過ごしたとしても、
いなくなるのはそれぞれ、一人ずつだ。

消えてくものだと知ってた。
それでも寄り添い歩いた。
緑の光を見ていた、そんな朝と。

消えないものなどなかった。
それでも全部愛すと決めた。
終わったあとは無意味だって、それでいいんだって。

大切なものはいくつ?
最後の一人は僕が。

 

Y

そうだ 約束があったな 思いだせ 思い出す
記憶はおぼろげだ

そうだ やり残したことは ないかな あるかな
記憶はおぼろげだ

夜の隅 見あげれば 溢れてく星屑が
アルバムを開いたら もう目を閉じる

さあ 漕ぎ出そうか
君の待つ 遠い遠い
ただっ広い 世界へと

ああ 懐かしいな
君は指を差してさ
「あの場所へ行くんだ」と

さあ 枯れた声で
歌でも歌おうか
君の名前も入れて

ああ そんな終わり
約束を果たそうか
「最後の一人は僕が」

 

Afterglow

せまる西日 一筋の線
帰り道の 懐かしい日々 白黒の

手を伸ばす 雲の線まで
飛行機雲 掴めなくても

いつか忘れるなら あの日の空を絵に残そう
いつも二人で見た 泣きそうなくらい染まる空を

描き終えた 二人だけの空
片方だけが欠けたって

刻む時の音が 僕らの思い出を遠ざける
空は変わらぬまま 立ち尽くす僕らを照らした

いつか忘れるなら この日の空も絵に残そう
いつか忘れるけど この日々も大切に過ごそう

空は今も変わらず
イマと過去を繋げる

朝は廻りアスへと
巡りゆく

 

紅空

昨日の鳥は どこまで飛べたか
くすんだ空の 先は見えない

見送る影は すぐ見えなくなった
帰っておいでよ 何度も呼んだ

明日は晴れるとか 明日は雨だとか
そんなあたり前の時間が
遠くなって

紅く染まる空 胸を締め付ける
僕らを包んで 夜を誘う

震える光が 繋いだ心の
隙間を拓いて 壊してゆく

昔誰かが 住んでたこの家
壁に描かれた オレンジの空

淡く輝く 不吉なこの空
そのまま描いた 誰のためだろう

お腹が空いたとか そろそろ寝ようとか
そんなあたり前の時間が
遠くなって

紅く染まる空 胸を締め付ける
僕らを包んで 夜を誘え

紅く染まる空 終末を叫ぶ
世界を包んで 朝へ向かえ

震える光が 揺らいだ心の
隙間を拓いて 頬を濡らす

薄れる景色と 揺らぐ天井と
最後に笑って 幕を閉じる

 

白の秩序

降り積もる白い雪、どこまでも続いた。
それぞれの道を歩く。
埋もれていく足跡。

バラバラに見えた、だけど。

足並みそろえて今、僕らの心が熱を帯びる。
行方は知らなくていい、向かうままに。

風は無く、音も無い。
未来はまだ見えず。

儚げに映る景色。
悲しい空、見上げ。

思い出の町は遠く。

全てが埋め尽くされ、心が壊れそうになっても。
目をつむれば思い出す、暖かさを。

いつかは終わる世界。
それでも僕らは歩いていく。
少しの希望もないこんな道だって。

足並みそろえて今、僕らの心が熱を帯びる。
行方は知らなくていい、向かうままに。

重なる歩みはただ、未来を目指す力に変わる。
白だけが続く先に何が待つの?

 

そして虹の終着点へ

虹の森で見た 様々な色をした物語たちが
忘れようとした 悲しい記憶や弱さを
目を反らそうとした 癒えない傷 その意味を

いつか持っていたはずの強さ
ほらまた歩きだせるはず

遠い遠い昔話 星の傷跡の歌
みんなで生きてきた証 想いのその未来

1秒ごとに別れる世界
続きを選ぶ僕らの意志
それは最善か?

僕らに選ばれなかった 消えた世界で
咲くはずの 生まれるはずの命もあった

僕らが生きた後に何が残るのか
答えを知るのは いつになるのだろうか

みんなが持っているはずの弱さ
目を反らさず生きてゆけるだろう?

遠い遠い時を超えて 幾つもの歌が繋がり
目指す世界へ ほら向かっていくんだ

僕らは生きた後に何を残すのか
無駄ではなかったと 思える日を迎えるんだ